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人間一事が万事塞翁が馬

  • 執筆者の写真: shinichiro honma
    shinichiro honma
  • 2020年5月5日
  • 読了時間: 2分

老人の馬が逃げたところ、その馬が優れた別の馬を連れて帰ってきた。今度は老人の子供がその馬から落馬して足を折ったが、そのおかげで兵役を逃れて命が助かった…「淮南子(えなんじ)」紀元前に中国で編さんされた思想書に書かれた話。禍福は予測できない。つまり、「ありのままを受け入れる」「今を生きる」ということなのだろう。

コロナ禍において、評論家や研究者、アナリストの中には、自粛が経済活動を死に至らしめ、結果、コロナで亡くなる人の数よりも、経済苦で自死する人の数のほうがはるかに多いだろうと公言する者も少なくない。

ブラジル大統領は、「コロナはただの風邪。そんなことより経済活動を止めるほうが問題だ!」と、保健相を更迭した。

正解は、落ち着いた先にあるだろう。

しかし、現在の仕組みによる経済活動で潤い、さらなる資本の蓄積を目指した人々にとって、オリンピックの延期や、経済自粛は耐え難いものだろう。

一方、経済活動の中で搾取され、経済活動(企業)の安全弁となった人々は、何を思うだろう。

経済的不安は、先の見えない不安へとつながり、悪循環をもたらす。脳は、その思考に感情を与える。まだ起きていない想像であるにも関わらず。

「ありのままを受け入れる」「今を生きる」は、感情を受け入れるのではなく、現状を受け入れるということ。

それが簡単ではないことは身をもって知っているつもりだ。

だからこそ、コロナ禍の今、オンラインであっても、人とのつながりを保つことが、苦しく怖ろしい感情を引き出している思考を、まだ起きていない未来から、「今」に引き戻してくれるだろう。

振り返れば、未曾有の東日本大震災にあって、「絆」が大きなテーマになったことは記憶に新しい。




 
 
 

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